FXAI活用で最初に決めるべきことは、AIに「何を任せ、何を任せないか」だ。売買の判断をAIに預けた瞬間、負けた理由を検証できなくなる。KPTはGeminiとClaude Codeを、相場分析・EA作成・相場サマリー・資金管理・トレードアイディアの5つの場面に限って使っている。作業をAIに渡し、浮いた時間を検証に回す。その実際の使い方をまとめた。
- ChatGPTやGeminiに相場を聞いてみたが、答えをどう扱えばいいか分からない方
- 自分の手法をEA(自動売買)にしたいが、MQL4を書けない方
- 指標やニュースを追い切れず、毎日の相場整理に時間がかかっている方
- AIは判断の代行者ではなく「作業と整理の道具」として使う
- Gemini=画像と検索に強い/Claude Code=コードと自動化に強い
- 5つの用途ごとに、KPTが実際に使っている手順と頼み方を公開
- AIの答えを判断するための基礎記事を、用途ごとに紐づけて案内
FXAI活用の前提 — AIに任せることと任せないこと
FXAI活用とは、AIに相場の答えを出させることではない。チャートの読み取り、データの集計、コードの作成、情報の要約といった「手間のかかる作業」をAIに渡し、浮いた時間を検証と判断に回すことだ。
逆に、エントリーするかどうか、何ロットにするか、どこで損切りするかをAIに決めさせてはいけない。AIの答えはもっともらしく見えても、根拠が検証されていない。任せた判断で負けたとき、手法のどこが悪かったのかを振り返れなくなるからだ。
GeminiとClaude Codeの役割分担
Gemini
得意なこと
チャートのスクリーンショットを読み取る、Google検索で材料を集める、ニュースや指標を日本語で要約する。対話しながら考えを整理する相手に向く。
注意点
画像から読み取った価格や線の位置は、細部がずれることがある。数値は必ずチャート側で確かめる。
Claude Code
得意なこと
MQL4/MQL5のEA、データの集計スクリプト、定期実行の自動化など「動くもの」を作る。ファイルを読み書きし、渡したエラーや実行結果を見ながら修正を重ねていく。
注意点
作ったEAが「動く」ことと「勝てる」ことは別。バックテストとフォワードテストを経ないロジックは使わない。
AIの答えを鵜呑みにしないための3つの習慣
- 数値は一次情報で確かめる:AIが示した価格・指標の結果・スプレッドは、チャートや発表元で必ず照合する。AIは存在しない数字をもっともらしく書くことがある。
- 根拠を言わせる:結論だけを受け取らず、「なぜそう判断したか」を箇条書きで出させる。根拠が曖昧な答えは、材料としても使わない。
- 条件を変えて聞き直す:時間足や期間を変えて同じ質問をし、答えが大きく変わるなら、その整理は相場の一面しか捉えていない。
この3つを守るだけで、AIは「答えをくれる機械」から「考えを点検してくれる相手」に変わる。どの用途でも共通する土台なので、最初に習慣にする。
相場分析にAIを使う — 環境認識を言葉にする
相場分析でAIが役に立つのは、自分の見方を言葉にして点検する場面だ。チャートを見て「なんとなく上」と感じたものを、トレンド・節目・移動平均線の位置という要素に分解させると、見落としや思い込みが浮かび上がる。
Geminiでチャートを読む
- このドル円1時間足のスクリーンショットについて、トレンドの向き・直近の高値と安値・移動平均線と価格の位置関係を箇条書きで整理して
- 上昇と判断する根拠と、その判断が崩れる条件をそれぞれ3つ挙げて
- 売買の推奨はしないで。事実の整理だけにして
最後の一文が重要だ。売買の推奨を求めないことで、AIの出力が「整理された材料」にとどまり、判断は自分に残る。
Claude Codeで過去データを集計する
MT4から書き出した過去データ(CSV)をClaude Codeに渡し、「時間帯別の平均値幅」「指標発表前後1時間のボラティリティ」などを集計させる。手作業のExcelなら何時間もかかる集計が短時間で終わり、自分の手法が機能しやすい時間帯を数字で確かめられる。
まずはドル円1通貨ペアで練習する
最初から複数の通貨ペアをAIに読ませると、整理の良し悪しを判断できない。値動きの癖をつかみやすいドル円に絞り、自分で書いた環境認識とGeminiの整理を毎日並べて比べる。1週間続けると、AIが見落としやすい点(直近の節目、指標前の値動きの鈍さなど)と、自分が見落としやすい点の両方が見えてくる。ドル円の押し目と戻りの見方はUSDJPYの見方で整理している。
AIの整理を正しく評価するには、テクニカルとファンダメンタルズの基礎が要る。FXトレード完全ガイドで章ごとに押さえておく。
EA作成にAIを使う — 手法をルールにして自動化する
EA作成は、AIが最も時間を短縮してくれる分野だ。これまでMQL4を学ぶ必要があった自動売買が、ロジックを日本語で説明できれば形になる。KPTのサイトで相場アーカイブのチャートを撮影しているEA(KPT_ChartShot)も、Claude Codeで作った。
Claude CodeでEAを作る手順
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ルールを文章にする
エントリー条件・決済条件・損切り幅・ロットを曖昧さなく書く。Geminiに「この条件で曖昧な点を指摘して」と頼むと抜けが見つかる。
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Claude CodeにMQL4で書かせる
仕様をそのまま渡し、損切り・利確・最大ポジション数を必ず入れるよう指示する。MetaEditorのコンパイル結果(エラーログ)を渡し、Claude Codeに直させる。
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ストラテジーテスターで検証する
期間を分けてバックテストし、特定の期間だけ勝っていないかを見る。結果をClaude Codeに読ませて、ロジックの弱点を洗い出す。
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デモ口座でフォワードテストする
バックテストの成績は過去への当てはめにすぎない。少なくとも数か月はデモで動かし、成績の差を確かめてから小ロットで本番に移る。
KPTの実例 — チャート撮影EAはこう作った
KPT_ChartShotは、指定した期間のチャートをMT4に開き、定型チャートを当てて画像に保存するEAだ。売買はしない。最初の版はClaude Codeが短時間で書いたが、実際に動かすと問題が次々に出た。業者によって銘柄名に「USDJPY#」のような記号が付くこと、MT4のサーバー時刻と日本時間がずれていること、撮影のたびに新しいチャートでEAが二重に起動してしまうことなどだ。
これらは、エラーの内容やMT4のログをClaude Codeに渡し、原因の特定と修正を繰り返して一つずつ潰した。AIはコードを書く速さでは人を大きく上回るが、実際の環境で何が起きるかは動かしてみないと分からない。「書かせる→動かす→ログを渡す→直させる」の往復こそが、AIでEAを作るときの本当の手順だ。
EAを安定して動かすには、MT4の操作、MQLの仕様、止まらない運用環境の知識が要る。MT4・MT5完全ガイドで導入からEA運用までまとめている。
相場サマリーにAIを使う — 毎日の整理を自動化する
経済指標、要人発言、各市場の値動きを毎日追うのは、それだけで仕事になる。AIに整理を任せれば、読むべき要点だけが手元に残る。
Geminiでニュースと指標を要約する
- 今日発表された米国の経済指標を、結果・予想・前回の順に表にして
- その結果を受けてドル円がどう動いたかを、時刻つきで3行にまとめて
- 来週の重要指標を日本時間で一覧にして
検索で集めた情報には誤りが混じることがある。数値は発表元(各国の統計局・中央銀行)で確かめる。これは省かない。
Claude Codeで相場サマリーを自動で作る
KPTの相場アーカイブは、経済指標の結果と為替の値動きを集め、チャートを撮影して記事にする仕組みをClaude Codeで作り、毎日自動で回している。自分用なら、毎朝の値動きとその日の指標をまとめてメールで届ける程度から始められる。
資金管理にAIを使う — 計算を任せ、ルールは自分で決める
資金管理は、AIに計算を任せると計算ミスがはっきり減る分野だ。ロット、損切り幅、許容損失率の計算は単純だが、焦っているときほど間違える。
- 口座残高100万円、1回の損失を残高の1%までにしたい。ドル円で損切り幅30pipsのとき、何ロットになるか計算式つきで出して
- この条件で10連敗したら残高はいくらになるか
AIの計算を自分でも確かめる
上の例なら、許容損失は100万円×1%=1万円。ドル円は1万通貨で1pips動くと100円の損益になる(円口座の場合)。30pipsの損切りなら1万通貨あたり3,000円だ。1万円÷3,000円で約3.3万通貨、つまり0.33ロット(1ロット=10万通貨の場合)が上限だ。10連敗したときの残高は、100万円×0.99の10乗で約90.4万円。1回の損失を2%にすると約81.7万円まで減る。
この程度の検算を自分でできれば、AIが桁を間違えたときにすぐ気づける。1ロットが何通貨かは業者によって違うため、使っている口座の条件で計算させる。
毎回同じ計算をするなら、Claude Codeに小さなロット計算ツールを作らせておけば済む。ただし「1回の損失を何%にするか」というルールそのものは、AIに決めさせず自分で決める。
資金管理の考え方
トレードアイディアのアシスタントにする — 仮説と反証を出させる
AIをトレードアイディアの相手にするときは、答えではなく「問い」を出させる。自分の仮説に対して、崩れる条件や見落としている材料を挙げさせると、エントリー前の点検になる。
- 「東京時間に作った高値をロンドン時間に上抜けたら順張りする」という仮説の弱点を5つ挙げて
- この仮説を検証するには、どんなデータをどの期間集めればいいか
出てきた検証方法は、Claude Codeで集計スクリプトやEAにしてバックテストにかける。思いつきを、数字で確かめられるルールに変えるところまでがAIの仕事だ。
AIでトレードするための環境をそろえる
AIで作ったEAや分析を実戦に移すには、2つそろえば足りる。MT4/MT5やTradingViewが使える口座と、PCを閉じても止まらない運用環境だ。口座は約定の速さと自動売買の制限の少なさで選ぶ。運用環境はFX自動売買VPSで24時間動かす。
MT4・MT5・TradingViewに対応し、EA・自動売買の利用が認められている。自作したEAのデモ検証から本番運用まで、同じ業者の環境で進められる。
※ 取引条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトで確認してください。
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