この6つの場面を押さえれば、2017年以降の相場で語られる「半減期」や「取引所のリスク」を、自分の言葉で追える。2008年に1通のメールで公開された設計図は、2016年末には、Bitstamp の終値で1ビットコイン約966ドルになった。白書、ブロックチェーン、取引所、半減期、価格の節目を、年表と図で順にたどる。2017年以降は、日ごとの相場アーカイブに続く。
年表|2008年から2016年の主な出来事
先に、出来事を日付順に並べる。日付は、メーリングリスト・ブロックの記録・各機関の発表など、元の記録で確かめた。
サトシ・ナカモトと白書|銀行を通さない電子現金
2008年10月31日(米国東部時間の午後2時10分)、サトシ・ナカモトの名前で、暗号に関するメーリングリストに1通のメールが届いた。件名は「Bitcoin P2P e-cash paper」。本文は、信頼できる第三者なしで動く新しい電子現金を作っていると述べ、白書のリンクを示している。

要旨が言っているのは、次の3つだ。
サトシ・ナカモトが誰なのかは、わかっていない。この記事も、人物の推測はしない。残っているのは、メールと白書とソフトウェアだけだ。
ブロックチェーンのしくみ|3つの手順で分かる
ブロックチェーンは、取引の記録を箱(ブロック)に入れ、箱を順番につなげた帳簿だ。1か所のサーバーではなく、参加者全員が同じ帳簿を持つ。
過去の取引を書き換えるには、その箱から先の箱をすべて作り直さなければならない。白書の要旨にも、記録は「作業をやり直さない限り変えられない」とある。
報酬が新しいビットコインの出どころになる
箱を作った人に支払われる報酬は、その時点で新しく発行されるビットコインだ。最初の報酬は50ビットコインで、次の章の半減期で小さくなる。
総量の上限は、ソフトウェアに書かれている
発行の上限は2,100万ビットコインだ。この数字は白書には出てこない。2009年1月8日の最初の公開版の告知メールに「総量は2,100万」と書かれ、いまも広く使われているソフトウェア(Bitcoin Core)の定数になっている。
取引所とMt.Gox|預けたビットコインが引き出せなくなった日
取引所は、円やドルとビットコインを交換する場所だ。多くの人は、交換したビットコインをそのまま取引所に預けておく。預けた分は、取引所が管理している。
Mt.Gox は、2010年7月18日に掲示板で取引所の開設を告知した。それから4年足らず後の2014年、この取引所が止まった。同社自身の告知から、順にたどる。
経過は、年表の2月25日(全面停止)、2月28日(民事再生の申立て)、4月24日(破産手続の開始)のとおりだ。同社の告知によれば、顧客分の約75万BTCと自社分の約10万BTCの、ほぼすべてがなくなった。
取引所に預けるとは、管理を任せること
取引所に預けた時点で、ビットコインを動かす鍵を持つのは取引所だ。取引所が止まれば、預けた側は自分では動かせない。
半減期|報酬が21万ブロックごとに半分になる
半減期は、箱を作った人への報酬が半分になる節目だ。ソフトウェアは、21万ブロックごとに報酬を半分にするよう書かれている。目標の間隔(約10分)で数えると、およそ4年に1度になる。
報酬の変化
節目のブロック
ブロックの時刻
報酬の変化
節目のブロック
ブロックの時刻
新しく発行される量が減るので、発行のペースはゆるやかになる。ただし、半減期のあとに価格がどう動くかは、この記事の範囲では言えない。次の章のチャートで、2回の半減期の位置だけ確かめてほしい。
価格の節目|2011年から2016年のチャート
下のチャートは、Bitstamp(取引所)の米ドル建て日足を、週ごとの終値でつないだものだ。縦軸は、1目盛りが10倍になる対数目盛にしている。数字の印は、この記事の出来事に対応する。
- 1|2012年11月28日 1回目の半減期
- 2|2013年12月3日 中国人民銀行などの通知
- 3|2014年2月28日 Mt.Goxが民事再生を申立て
- 4|2015年9月17日 米CFTCの判断
- 5|2016年7月9日 2回目の半減期
年ごとの高値と安値を、日足の値で並べる。高値・安値は、その日の最高値・最安値だ。
桁が変わった日
終値が初めて100ドルを超えたのは2013年4月1日、1,000ドルを超えたのは2013年11月28日だ。2013年は、年初の約13ドルから、年末に700ドル台まで上がっている。
2014年の下げと、その後の値動き
2014年は、下りが続いた。1月6日の995ドルから、10月5日の275ドルまで下がった。2015年の安値は1月14日の152ドル。2016年は、1月16日の安値352ドルから、12月29日の高値981ドルまで戻した。
この記事は、過去の値動きを並べたものだ。将来の価格を予想するものではない。ビットコインの価格は大きく動くことがあり、元本を失うおそれがある。
ここから先|2017年以降の相場アーカイブへ
ここまでが、2016年までの話だ。2017年1月1日以降は、日ごと・週ごとに、その日のビットコインの動きと出来事を残している。
この記事の日付と出典は、下の一覧にまとめた。
最初のブロック:ブロック0(時刻は記録上の値)
最初の公開版:v0.1の告知(2009年1月8日)
ブロック170:ブロックの記録(10と40の2つの出力。受け取った側の名前は、記録からは分からない)
ピザの報告:bitcointalk の投稿(2010年5月22日)
半減期:ブロック210000/ブロック420000/計算式:validation.cpp(v27.0)
Mt.Goxの開設告知:bitcointalk の投稿(2010年7月18日)
上限・間隔:v0.1の告知(総量2,100万)/amount.h(v27.0)/chainparams.cpp(v27.0)
チェーンの分岐:bitcoin.org の告知
FinCEN:指針FIN-2013-G001
中国の通知:中国人民銀行の公表
Mt.Gox:2014年2月28日の告知/2014年4月24日の決定
CFTC:プレスリリース
価格:Bitstamp BTC/USD 日足






